リスキリングという言葉も今では一般化しましたね!

実際に会社員として働きながら、新しいスキルや知識を学ぶということでリスキリングが注目されてきたわけですが、ただ学ぶだけではなく、副業も一般化してきたことで、個人で仕事を作っている人も多くなってきた印象があります。

特にパソコンでできる、在宅でできる、というメリットを活かしてWEB周りの仕事(デザイン、ライター、動画編集、インスタ運用、広告運用、オンライン秘書など)をしている人が増えていますが、このAI時代によって、

「このやり方のままだと時間も売上も頭打ちになりそう…」

と感じている人もいるのではないでしょうか?

実際に、このスキルだけでは尻窄みになるという危機感を感じて上を目指したいと思っている人が、「マーケティングを学ぶ必要がある」と気づいている人が多いわけです。

そんなときに、リスキリングとしてマーケティングを学ぶことができるといいですよね!

ところが、会社員として働いている方、育休中の方がマーケティングを学ぼう(特に会社員の特権を活かしてお得に学ぼう)と考えた時、検索して出てくるのは「転職が前提」のスクールの案内ばかり…

もちろん転職も考えてはいるけれど、すぐに転職しようとは思っていないから、どう探せばいいかわからない、という方もよくお聞きします。

そこで、この記事では、YOUSEED株式会社でWEBマーケティングの講座を運営している私、田原が、次の4つをまとめました。

僕自身、会社員時代から副業で失敗を重ね、いくつもの塾を渡り歩いてきました。その遠回りも含めてお伝えしますね。

副業や起業でマーケティングを学び直す人が増えている理由

マーケティングを学び直す人が増えている理由は2つあります。国が学び直しへの支援を広げたこと、そしてマーケティングが職種や業種を問わず売上に直結するスキルだからです。

国の動きでいうと、2022年10月の所信表明演説で、個人のリスキリングへの公的支援を「五年間で一兆円」のパッケージに拡充する方針が示されました(首相官邸:第二百十回国会における所信表明演説)。このあと紹介する2つの制度も、個人が学び直しに使える公的な支援です。

リスキリングとは?リカレントとの違い

リスキリングとは、仕事で求められるスキルの変化に合わせて、新しいスキルを身につけることです。働きながら学び、今の仕事や次の仕事にすぐ活かす形が中心になります。

よく似た言葉のリカレント教育は、いったん仕事を離れて大学などで学び直し、また仕事に戻るという「学びと仕事の行き来」を指します。副業中の方や、子育てをしながら学びたい方にとっては、仕事を辞めずに学べるリスキリングのほうが現実的なんですよね。

マーケティングを最初に学ぶと売上につながりやすい理由

副業や起業で最初に学ぶスキルとしてマーケティングをおすすめするのは、売上が「誰に、何を、どう届けるか」で決まり、それを設計するのがマーケティングだからです。デザインやライティング、動画編集も、この設計があってはじめて売上につながります。

僕は会社員時代、トッパン・フォームズ(現TOPPAN)で12年間営業をしていました。営業をしていると、話がうまいんですね!と言われることがありますが、そういう事ではありません。何も話が得意だからということではなく、お客さんの課題を聞いて、それに合う提案をしていくこと。

それに、僕は印刷会社の営業マンなので、印刷物を納品したら終わりですが、お客さんはその後にマネタイズをすることになるので、そこで業務が終わりじゃないんですよね。

自分のやっている仕事の「前後」にどんな工程があるのか。

ここを考えられるようになって、ようやくビジネスの流れ(マーケティング)を意識するようになったんです。

営業や接客、事務など、今の仕事で積んできた経験は、マーケティングを学ぶとさらに強いあなたの武器になれkます。

ゼロから新しい職業を覚えるのではなく、これまでの経験に「売る設計力(マーケティング力)」を足すことで、あなたの価値はさらに高まる。これが、マーケティングを学び直すいちばんの利点だと僕は考えています。

リスキリングに使える2つの公的制度の違い

マーケティングを学ぶときに使える個人向けの公的制度は、大きく2つです。転職を目指すなら経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」、今の仕事を続けながら学ぶなら厚生労働省の「教育訓練給付金」が合っています。

スクールの広告でよく見る「最大70%戻る」は、多くの場合、経済産業省の事業のことです。転職が前提の制度なので、副業や自分の事業のために学びたい方は、まずここを見分けておきましょう。

項目 経済産業省の支援事業 厚生労働省の教育訓練給付金
(専門実践)
対象になる人 在職中で、雇用主が変わる転職を目指す人 雇用保険に入っている人(離職後1年以内の人も含む)
転職 必要 不要
戻ってくる額 修了で受講費用(税別)の1/2(上限40万円)、転職後1年続けて働くと追加で1/5(上限16万円) 受講費用の50%(年間上限40万円)、条件を満たすと70%(同56万円)、さらに賃金が上がると80%(同64万円)
向いている人 未経験からWEBマーケターに転職したい人 副業や今の仕事、自分の事業に活かしたい人

※↔スワイプして表を見る

経済産業省の支援事業は転職したい人向け

経済産業省の支援事業は、在職中で、雇用主が変わる転職を目指している人のための制度です。キャリア相談、講座の受講、転職の支援が一つのセットになっています。

補助は2段階です。講座を修了すると受講費用(税別)の2分の1(上限40万円)、転職して1年続けて働くと、さらに5分の1(上限16万円)が追加されます(リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業:転職をご検討の方)。ここでいう転職は、この事業の中で紹介を受けた会社などへの転職に限られます。

未経験からWEBマーケターとして転職したい方には合っています。一方で、今の会社で働きながら副業を伸ばしたい方や、自分の事業の集客を学びたい方にとっては、条件が合わない制度です。

厚生労働省の教育訓練給付金は在職のまま使える

厚生労働省の教育訓練給付金は、転職しなくても使える制度です。雇用保険に入っている会社員が、国の指定を受けた講座を修了すると、受講費用の一部がハローワークから支給されます。

講座は3つの区分に分かれていて、給付率がいちばん高いのが「専門実践教育訓練」です。受講費用の50%(年間上限40万円)が支給され、条件を満たすと70%(同56万円)、さらに賃金が上がると80%(同64万円)まで上がります(厚生労働省:教育訓練給付金)。上乗せ分の条件は細かく決まっているので、申し込む前に講座の運営元かハローワークで確かめておくと安心です。

はじめて専門実践教育訓練の給付を受ける場合は、雇用保険に入っていた期間が2年以上あれば対象になります(厚生労働省の資料(PDF))。私が運営している「WEBプランナー養成講座」「AI×WEBマーケティング実践講座」も、この専門実践教育訓練の対象講座です。

副業中・育休中・個人事業主は対象になる?

副業中や育休中の会社員は、教育訓練給付金の対象になりえます。個人事業主は雇用保険に入っていないため、原則として対象外です(ただし退職1年目は対象になる可能性あり。以下参照)。立場ごとの扱いは次のとおりです。

  • 副業中の会社員:本業の会社で雇用保険に入っていれば対象になりえます。要件は雇用保険に入っていた期間などで判断されるので、副業に活かしたい方も使えます
  • 育休中の方:会社に籍があれば雇用保険に入ったままなので、在職中と同じ扱いです。退職した場合も、育児を理由に、給付の対象になる期間を最大20年まで延ばせます(厚生労働省:適用対象期間の延長について(PDF))
  • 個人事業主・起業1年目の方:雇用保険に入っていないため、原則対象外です。ただし、会社を辞めてから1年以内に受講を始める場合は対象になりえます

すでに起業している方は、給付金が使えるかどうかより、「その学びで売上をいくら増やすか」で判断するのがおすすめです。受講料は、学んだことを売上に変えられれば回収できる投資になります。

ここがポイント

  • 「最大70%戻る」の多くは、転職が条件の経済産業省の事業
  • 転職せずに学ぶなら、厚生労働省の教育訓練給付金を確かめる
  • 個人事業主は原則対象外。会社を辞めて1年以内なら対象になりうる

マーケティングは何から学ぶ?おすすめの3ステップ

マーケティングは、「誰に何を売るか」を決める→「集客から販売までの流れ」をつくる→「SNSや広告などの手段」を選ぶ、の順で学ぶのがおすすめです。多くの人は3つ目の手段から学び始めますが、1つ目と2つ目が決まっていないと、どの手段を使っても売上につながりにくいんです。

ステップ1.誰に何を売るかを決める

最初に学ぶのは、誰の、どんな悩みを、何で解決するのかを決める考え方です。ターゲットの設定や商品の設計と呼ばれる分野ですね。

月商30〜50万円で伸び悩んでいる方の相談を受けると、ここが「なんとなく」のまま走っているケースが多く見受けられます。たとえば「子育て中のママ向けに何でもお手伝いします」だと、頼む側は自分に合うかどうかを判断できません。「平日の昼しか動けない、子育て中のハンドメイド作家の集客を手伝います」まで絞ると、届けたい相手がはっきりします。

僕自身、ここで考え方が大きく変わったのは2019年です。顧問コンサルを受けて年商1200万円に届いたとき、変えたのはテクニックではなく前提でした。「自分のスキルでどう稼ぐか」から、「お客さんの売上を一緒に上げて、一緒に成長していく」へ。自分のスキルを誰かのために活かすと決めたことで、誰に何を届けるのかがはっきりしたんです。

ステップ2.集客から販売までの流れを作る

2つ目は、知ってもらう→興味を持ってもらう→信頼してもらう→申し込んでもらう、という流れを1本つくることです。販売導線と呼ばれます。

流れが1本できると、どこで人が止まっているのかが見えます。SNSのフォロワーはいるのに申し込みがないなら、信頼してもらう段階が足りていません。問い合わせは来るのに成約しないなら、申し込みの段階に課題があります。止まっている場所が分かれば、打ち手を当てずっぽうで選ばずに済みます。

ステップ3.SNS・広告・SEOなどの手段を選ぶ

手段を学ぶのは最後です。誰に売るかと流れが決まっていれば、自分のお客さんがいる場所と、自分が続けられる方法から選べます。

子どもが小さくて時間が限られる方なら、毎日の投稿が前提のSNSより、一度書けば読まれ続けるブログや、少額から試せる広告のほうが続けやすいこともあります。手段は流行りではなく、自分の生活に合うかどうかで選んで大丈夫です。

ここがポイント

  • ステップ1:誰の、どんな悩みを、何で解決するかを決める
  • ステップ2:知る→興味→信頼→申し込みの流れを1本つくる
  • ステップ3:SNS・広告・SEOなどの手段は、生活に合うもので選ぶ

学んでも成果が出ない人に共通する3つの理由

マーケティングを学んでも成果が出ない原因は、たいてい次の3つのどれかです。売る順番が決まっていない、どこかにある「正解」を探し続けている、学んだことを試していない。僕自身、昔はこの3つを全部やっていました(笑)

1.学ぶだけで終わっている…

1つ目は、ノウハウを集めること自体が目的になっていて、売る順番が決まっていないことです。SNSの伸ばし方、広告の出し方、文章の書き方を一つずつ覚えても、それをどの順番でつなぐかが分からなければ、お客さんは申し込みまでたどり着きません。

学ぶときは「このノウハウは3ステップのどこで使うものか」を確かめながら進めると、知識がばらばらになりにくくなります。

2.どこかにある「正解」を探し続けてしまっている…

2つ目は、どこかに正解があると思って、それを探し続けてしまうことです。

僕は2012年に自己破産(任意整理)を経験し、最大で約800万円の借金を抱えていました。そこから抜け出そうと、2013〜2015年にかけて教材やコミュニティ、塾を渡り歩いたんですよね。副業でも物販やFX、アフィリエイトに手を出しては、うまくいかずにやめることを繰り返しました。

振り返ると、足りなかったのは、答えを探していたことでした。集客の答えは一つではなく、自分で探していくものです。誰にでも当てはまる決まった方法はなく、結果を分けるのは「誰に、どんな切り口で届けるか」だと、遠回りしてようやく分かりました。

3.学んだことを実際の仕事で試していない…(そもそも売っていない…)

3つ目は、学んだことを自分の仕事やお客さんで試していないことです。マーケティングは、実際に売ってみて反応を見るまで身につきません。

講座を選ぶときも、動画を見て終わる形より、学ぶ期間中に自分の商品で1回売ってみる課題がある講座のほうが、学んだことが手元に残ります。

AI時代にマーケティングを学ぶ意味はある?

あります。AIが得意なのは、文章や画像、広告案をつくる作業です。誰に、何を、どの順番で届けるかを決める判断は、人の仕事として残ると僕は考えています。

正直に言うと、僕も2025年に「AIがここまでできるなら、これまで学んできたこと、教えてきたことの価値は下がるんじゃないか」と悩みました。そこからAI活用に本格的に取り組んで、今はAIを一つの手段、いわば仕事を頼む外注先だと考えています。外注先にうまく頼めるのは、何をどこでどう使うかが分かっている人です。マーケティングを学ばずにAIだけを学んでも、使いどころが分からないまま終わってしまいます。

たとえば、AIに「集客用の投稿を書いて」とだけ頼むと、誰にでも当てはまる文章が返ってきます。誰に向けて、どの段階の人に、何をしてほしいのかまで指示できれば、そのまま使える文章に近づきます。

プロンプト例

あなたはWEBマーケティングの担当者です。
次の条件で、Instagramの投稿文を1本書いてください。
 
・読む人:平日の昼しか動けない、子育て中のハンドメイド作家
・その人の悩み:作品は作れるのに、SNSで売れない
・読む人の段階:私のことを知ったばかりで、まだ信頼していない
・読んだあとにしてほしいこと:無料の解説資料を受け取る
・文字数:300字前後

この指示の中身を考える力は、マーケティングを学ぶことで身につきます。AIを使いこなすためにも、マーケティングの土台が役に立つというのが、僕の実感です。

リスキリングで学び先を選ぶ4つの基準

マーケティングの学び先は、次の4つで選ぶと失敗しにくくなります。教育訓練給付金の対象か、自分の商品で試す課題があるか、講師が自分でも売上をつくっているか、オンラインで学べてときどき会える場があるか、の4つです。

①教育訓練給付金の対象講座か

会社員や育休中の方は、まず教育訓練給付金の対象講座かどうかを確かめましょう。対象講座には指定番号が付いているので、講座の案内ページで番号を探すか、運営元に直接聞いてみてください。

②自分の商品で試す課題があるか

次に、学んだことを自分の仕事で試せる課題があるかを見ておきましょう。成果が出ない理由の3つ目でお伝えしたとおり、マーケティングは売ってみて初めて身につきます。課題の添削やフィードバックがあると、自分では気づけない止まりどころが見えてきます。

③講師が自分でも売上をつくっているか

講師が、今も自分でマーケティングを使って売上をつくっているかどうかも確かめてください。教える内容が、実際の現場で通用しているかどうかが分かるからです。

私自身、独立後に平均250万円を超える金額で20社以上の案件を受けてきました。AI×WEBマーケティング実践講座でも、その現場で使っている考え方をそのままお伝えしています。

学ぶ内容と同じくらい、「誰から学ぶか」も大切です。僕が2020年に170万円のサポートコンサルを受けると決めたときも、決め手はカリキュラムではなく、誰が薦めてくれたか、そして誰から学ぶかという「人」でした。その年、差別化に悩みながらも年商2600万円に届いています。

④オンラインで学べて、ときどき会える場があるか

子どもが小さい方や、平日の日中しか時間がない方は、オンラインで学べることが前提になりますよね。そのうえで、ときどきでも対面で会える場があると、学ぶ仲間ができて続けやすくなります。一人で学んでいると「このやり方で合っているのかな」と不安になったとき、相談できる相手がいるだけで気持ちが楽になるんです。

よくある質問

転職しなくてもリスキリングの給付金は使えますか?

はい、厚生労働省の教育訓練給付金なら、転職しなくても使えます。雇用保険に入っていることなどが要件で、学んだあとに転職する必要はありません。経済産業省の支援事業は転職が前提なので、目的に合わせて選んでください。

個人事業主でも教育訓練給付金は使えますか?

いいえ、原則として使えません。教育訓練給付金は雇用保険に入っている人のための制度だからです。ただし、会社を辞めてから1年以内に受講を始める場合は、対象になりえます。

育休中でもマーケティングの講座を受けられますか?

はい、受けられます。会社に籍があれば雇用保険に入ったままなので、教育訓練給付金の対象にもなりえます。平日の昼にオンラインで学べる講座を選ぶと、子育てと両立しやすくなります。

マーケティングは独学でも学べますか?

基本の考え方は独学でも学べます。ただ、集客には誰にでも当てはまる正解がないので、自分の商品に当てはめたときに「この切り口で合っているのか」を一緒に確かめてくれる人がいるかどうかで、進み方が変わります。

まとめ

リスキリングでマーケティングを学ぶなら、まず「転職するかどうか」で使う制度を選び、学ぶ中身は「誰に何を売るか」から始めるのがおすすめです。

この記事のまとめ

  • マーケティングは、今の仕事の経験に「売る設計」を足すスキル
  • 転職を目指すなら経済産業省の支援事業、在職のまま学ぶなら厚生労働省の教育訓練給付金
  • 学ぶ順番は「誰に何を売るか」→「集客から販売までの流れ」→「手段」
  • 集客に決まった正解はなく、結果を分けるのは切り口
  • AIは外注先のような手段。どこでどう使うかを決めるのはマーケティングの力

「誰に何を売るか」から「集客から販売までの流れ」までを、あなたのビジネスに当てはめる手順は、解説動画&資料にまとめています。この記事の3ステップを実際に手を動かして進めたい方は、メールアドレスを登録して受け取ってみてください^^