マーケティングを学ぶ講座に、教育訓練給付金が使える講座はあります。ただし、戻ってくる金額は講座の区分と条件で変わります。また、給付金の対象であることと、その講座で仕事に使える力がつくことは、別々に確かめる必要があります。

とはいえ、「給付金が出るなら、どこで学んでも同じかな…」と、金額だけで選びたくなりますよね。仕事や育児の合間に、講座ごとの中身まで比べる時間を取るのは、簡単なことではありません。

そこでこの記事では、給付金で戻る金額の計算から、対象講座の中身の見分け方、申し込む前の手続きまでを順に解説します。僕自身、会社員時代から独立後まで、いくつもの塾や講座を渡り歩き、成果につながる学び方とつながらない学び方の両方を経験してきました。いまは「WEBプランナー養成講座」「AI×WEBマーケティング実践講座」を主宰し、受講生にマーケティングを教えています。

それでは、順に見ていきましょう。

教育訓練給付金で戻るのはいくら?3つの区分と計算 💰

教育訓練給付金で戻る金額は、講座の区分によって受講料の20%から最大80%まで変わります。区分は「専門実践教育訓練」「特定一般教育訓練」「一般教育訓練」の3つで、どれに当たるかは講座ごとに決まっています。

区分 基本の給付 条件を満たしたときの上乗せ 受け取るタイミング
専門実践教育訓練 50%(年間上限40万円) 70%(年間上限56万円)→ 80%(年間上限64万円) 受講中、6か月ごと
特定一般教育訓練 40%(上限20万円) 50%(上限25万円) 修了後
一般教育訓練 20%(上限10万円) なし 修了後

※↔スワイプして表を見る

出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」(上乗せの条件は、2024年10月以降に始まる講座の場合)

給付率がいちばん高いのは専門実践教育訓練

3つの区分のうち、給付率がいちばん高いのは専門実践教育訓練です。受講中に受講料の50%が6か月ごとに支給され、資格の取得などをして修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇われると70%(そのまま会社に在籍して働く方も対象)、さらに修了後の賃金が受講前より5%以上上がると80%まで引き上げられます。

たとえば受講料50万円の専門実践の講座なら、基本の給付で25万円、70%の条件を満たせば35万円、80%なら40万円が戻ります。自己負担にすると、25万円・15万円・10万円の3段階です。

専門実践教育訓練の給付率が、条件を満たすごとに50%から70%、80%へ上がる3つの段階

予算は「確実に戻る分」で組む

予算は、最初から80%を見込まず、基本の給付率で計算しておくことをお勧めします。70%と80%は、修了後の就職や賃金の上昇といった、受講を始める時点ではまだ決まっていない条件で上乗せされる分だからです。

専門実践なら50%、特定一般なら40%で自己負担を出し、その金額を払っても学ぶ価値があるかで判断する。上乗せは、条件を満たせたときに戻ってくる分と考えておくと、あとで計算が狂いません。あなたの場合、50%で計算しても受講したい講座はありますか?

給付金の対象講座かどうかを確かめる方法

給付金の対象かどうかは、厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で確かめられます。教育訓練給付金の対象になるのは、厚生労働大臣の指定を受けた講座だけで、マーケティングの講座であれば何でも対象になるわけではありません。

公式の検索システムで「指定期間」を見る

検索システムでは、学校名や講座名で講座を探し、講座ごとの指定期間を確かめます。給付の対象になるかは、受講を始める日が指定期間に入っているかどうかで決まります。

講座のホームページに「給付金対象」と書かれていても、自分が受講を始める時期に指定が続いているかは別に確かめておくと安心です。検索システムは、厚生労働省「教育訓練講座検索システム」から使えます。

※注意:「最大100%」は別の制度を足した数字です

講座の広告で見かける「最大100%」「実質0円」は、教育訓練給付金だけで戻る金額ではありません。教育訓練給付金の上限は、表のとおり80%です。

100%に近い数字は、多くの場合、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の補助や、スクール独自のキャッシュバックを足して計算されています。経済産業省の事業は、在職中で転職を目指す人を対象にした別の制度で、教育訓練給付金とは対象者も手続きも違います(経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」)。広告の数字を見たら、どの制度とどの制度を足した数字なのかを確かめることをお勧めします。

同じ対象講座でも中身は違う。マーケティング講座の見分け方 🔍

給付金の対象であることは、国の基準を満たした講座だという意味であって、学んだことが自分の仕事で使えるかまでは保証していません。対象講座の中から選ぶときは、「実務の事例で、手を動かしながら学べるか」で見分けます。見るところは次の3つです。

概念の説明で終わらず、実務の事例で進むか

マーケティングの講座には、考え方や用語の説明が中心のものと、実際の仕事の事例を使って進めるものがあります。すでに個人で仕事を受けている人に向いているのは、後者です。事例で学んだことは、目の前の案件にそのまま当てはめて試せるからです。

僕は独立前、いくつもの塾や教材を渡り歩いていた時期があります。当時うまくいかなかったのは、ノウハウだけを集めていて、実際に成果を出している人の仕事の進め方から学んでいなかったからでした。ノウハウの背景にある「なぜそうするのか」が分からないまま、自分の仕事に当てはめられなかったんですよね。

講座を比べるときは、カリキュラムに「事例」「ケーススタディ」「実務」がどれだけ出てくるか、その事例が講師の実際の仕事から来ているかを確かめると、違いが見えてきます。

修了の条件に、手を動かす課題が入っているか

修了の条件は、動画を見れば終わる講座より、課題の提出が条件になっている講座を選ぶことをお勧めします。教育訓練給付金は講座の修了が前提なので、修了の条件はどの講座にも決まっています。その条件が「視聴」なのか「提出」なのかで、終わったときに手元に残るものが変わります。

課題があると大変そうに感じるかもしれません。ただ、課題の題材を自分の商品やいまの仕事にできる講座なら、講座の課題がそのまま仕事の準備になります。

いまの仕事と、この先の仕事の両方に使えるか

3つ目は、学んだことを、いまの仕事とこの先の仕事の両方に使えるかです。特定の広告媒体の操作方法だけを学ぶ講座は、媒体の仕様が変わると使えなくなります。一方で、誰が、誰に、何を、なぜ、どうやって届けるかを決める考え方は、いまの案件にも、働き方が変わったあとの仕事にも持っていけます。

会社員として副業をしている人なら、本業の企画や営業にも使えるか。起業している人なら、自分の商品にも、受けている案件にも使えるか。カリキュラムを見ながら、自分の仕事の名前を当てはめてみると判断しやすくなります。

給付対象の講座を、実務の事例・課題の有無・使い道の3つの基準で絞り込む流れ

対象講座の中から選ぶときの3つの基準

  • 実務の事例で進むか。概念や用語の説明だけで終わらないか
  • 修了の条件に、手を動かす課題が入っているか
  • いまの仕事と、この先の仕事の両方に使える考え方か

申し込む前に済ませる教育訓練給付金の手続き

専門実践と特定一般の講座では、受講を始める日の2週間前までに、ハローワークで受給資格の確認を済ませる必要があります。その前に、訓練前キャリアコンサルティングを受けて、ジョブ・カードの交付を受けておきます。

  1. 訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードの交付を受ける
  2. 受講開始の2週間前までに、住所を管轄するハローワークで受給資格の確認をする
  3. 講座を受講し、修了する
  4. 決められた期限までに支給の申請をする(専門実践は6か月ごと、特定一般と一般は修了日の翌日から1か月以内)
キャリアコンサルティングから受給資格確認、受講、支給申請までの4つの手順を時系列に並べた流れ

手続きの順番を逆にして、講座の受講を先に始めてしまうと、給付を受けられなくなります。ジョブ・カードの作成には時間がかかることがあるので、講座を決めたら、受講開始日から逆算して早めに動き始めることをお勧めします。

給付を受けるには、雇用保険に入っていた期間の条件もあります。初めて受ける場合は、専門実践で2年以上、特定一般と一般で1年以上です。離職している人は、離職した日の翌日から受講開始日までが1年以内であることも必要です(ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」)。

私たちの講座は「実務の事例」で学ぶ専門実践講座

私たちYOUSEEDの「AI×WEBマーケティング実践講座」は、厚生労働省の専門実践教育訓練の指定講座です(指定番号:4012009-2520011-4)。考え方の説明で終わらせず、実務の事例をもとに進めるので、いまの仕事にも、この先の仕事にも使えるマーケティングを身につけられます。

講座で扱う事例は、私たち講師が実際に手がけてきた案件です。課題も、受講生自身の商品やサービスを題材にして取り組みます。

受講は平日の日中のオンラインが中心で、録画でも見られ、ときどき対面で会える場もあります。修了には、すべての課題の提出と、8割以上の出席が必要です。課題があるぶん楽な講座ではありませんが、終わったときに「自分の仕事で使った」という手応えが残る形にしています。

受講中は、いま動いている仕事の相談もできます。講座で相談した内容をもとに案件を受注できた受講生や、単価を上げられた受講生もいます。学んだことを、その場で自分の仕事に使えるのが、実務の事例で学ぶ講座の強みです。

受講料は66万円(税込)です。たとえば給付率50%なら33万円が戻り、自己負担は33万円。条件を満たして70%になれば46万2,000円が戻り、自己負担は19万8,000円になります。

マーケティング講座と教育訓練給付金のよくある質問

マーケティングの講座なら、どれでも教育訓練給付金の対象になりますか?

いいえ、対象になるのは厚生労働大臣の指定を受けた講座だけです。同じスクールの中でも、指定を受けているコースと受けていないコースがあるため、講座名と指定期間を検索システムで確かめておくと安心です。

個人事業主でも教育訓練給付金は使えますか?

個人事業主として働いているだけでは、原則として使えません。教育訓練給付金は雇用保険の制度のため、受講開始の時点で雇用保険の被保険者であるか、離職してから1年以内であることが条件です。会社員として副業をしている人は、会社の雇用保険に入っていれば対象になりえます。

給付金はいつ受け取れますか?

専門実践は受講中に6か月ごと、特定一般と一般は修了したあとに受け取ります。いずれも自分でハローワークに支給の申請をする必要があり、申請には期限があります。

以前に教育訓練給付金を受けたことがあっても使えますか?

前回の受給から3年以上たっていれば使えます。受講開始日の前日から3年以内に給付を受けている場合は、支給されません。2回目以降は、雇用保険に入っていた期間も3年以上が必要です。

オンラインのマーケティング講座でも給付金の対象になりますか?

はい、指定を受けている講座であれば、オンラインでも対象です。対象かどうかは受講の形式ではなく、講座が指定を受けているかで決まります。私たちの講座も、平日日中のオンラインが中心の専門実践講座です。

まとめ

マーケティングの講座に教育訓練給付金は使えますが、戻る金額は区分と条件で変わり、対象講座の中身は講座ごとに違います。

給付金で講座を選ぶ前に確かめること

  • 給付率は専門実践の50%など、基本の給付で予算を組む
  • 対象かどうかは、公式の検索システムで指定期間まで確かめる
  • 「最大100%」は、別の制度やスクール独自の還元を足した数字
  • 中身は「実務の事例で、手を動かしながら学べるか」で見分ける
  • 専門実践と特定一般は、受講開始の2週間前までにハローワークで手続きする

給付金で学費の負担を下げられても、学んだことを仕事で使えなければ、時間とお金はかかったままです。だからこそ、金額だけでなく「いまの仕事で試せるか」で講座を選んでいただけたらと思います。

実務の事例でマーケティングを学ぶとどう変わるのか、私たちの講座の進め方を、解説動画と資料にまとめています。講座を比べる前の材料として、解説動画&資料を受け取るからお受け取りください。