AIライティングの文章が伝わらないのはなぜ?読み手が動く文章に整える手順

AIライティングの文章が伝わらないのはなぜか。理由は、AIが文を整えるのは得意でも、読み手が何に困っているのかと、書き手がなぜそれを届けたいのかを知らないまま書いているからです。読み手が動く文章にするには、AIに渡す前に読み手の言葉を集め、「自分自身」の体験を書いて読み手への問いかけを足し、最後に人が読み手の立場で整えます。
とはいえ、AIの下書きは一見よく書けているので、どこをどう直せばいいのか分からないですよね。「整った文章なのに、問い合わせも、メルマガの返信も、申し込みも増えない…」と感じている方もいると思います。僕もAIの時代にこれまでの学びがどう活きるのかに悩み、AI活用に本格的に取り組み始めた一人です。
そこでこの記事では、AIの文章が伝わらない理由と、伝わる文章に整える4つの手順を順に解説します。会社員時代に12年間営業を続け、個人でビジネスを初めて8年、現在は「WEBプランナー養成講座」でもWEBマーケティングを教えている経験をもとにお伝えします。
それでは、順に見ていきましょう。
AIの文章が伝わらないのはなぜ?
AIの文章が伝わらないのは、ズバリ言いますと、AIが「伝える」ための文章を書いているけれど、「伝わる」ために要る情報を持っていないからです。足りないのは、読み手の背景と、書き手自身の体験の2つです。
「伝える」と「伝わる」は違う
「伝える」は書き手が情報を出すこと、「伝わる」は読み手が受け取って、自分のこととして動くことです。文章のゴールは、伝えることではなく、伝わることにあります。
たとえばメールで講座を案内する場合、日時と内容と申し込み方法を正しく書けば、伝えることはできています。それでも読み手が「自分には関係ない」と感じれば、申し込みにはつながりません。AIが得意なのは前者で、情報を漏れなく、読みやすい順に並べることです。

AIの文章は、誰にでも当てはまる言葉になりやすい
指示文に読み手の情報が入っていなければ、AIは誰にでも当てはまる無難な言葉でまとめるしかありません。読み手が誰で、何に困っているのかは、指示で渡されない限りAIには分からないからです。
「売上を伸ばしたい方へ」「忙しいあなたでも大丈夫」。どれも間違ってはいないのに、読み手は自分に向けた言葉だと感じにくいんですよね。読み手が「これは私のことだ」と思えるのは、自分がふだん使っている言葉や、自分の状況に近い場面が書かれているときです。
主語が「私」ばかりだと、自分よがりの文章に受け取られる
私を主語にした文は、自分のことを伝えるものなので書きやすいです。しかし、事実を伝えていく文章になるので、「・・・です」「・・・ます」「・・・でした」という単調な文章になりがちに…
なんか自分事にならないな…という文章は、大抵この一人称で書いていることが原因です。
主語が「あなた」ばかりだと、指示されているように受け取られる
一方、相手を主語にした文は、相手に訴えかける言葉になるので、自分ごとになりやすいです。
ですが、読み手に向けて書くほど、「あなたは〜すべきです」「〜しましょう」という言い方が増えてしまうと、なんだかその人から評価や指示されている印象になりますよね。
この2つのどちらがいいか、ということではなく、どちらもバランスを見て使っていくことが大事だと考えています。特にAIの文章に足りないのは、相手への投げかけの文章です。
伝わる文章は、読み手の背景を知ることから🔍
伝わる文章を書く最初の一歩は、書き始める前に、読み手が本当に困っていることと、その背景を知ることです。背景が分かっていない文章は、言葉をいくら整えても読み手には届きません。
これは、僕が会社員時代に12年間営業を続けて学んだことでもあります。自分が売りたいものを勧めても、相手がいま求めているものとズレていれば、どれだけ説明がうまくても売れません。文章も、書き手が言いたいことから書き始めると、同じズレが起きます。
たとえば、フルマラソンを走り終えた人に、熱燗を勧めて喜ばれるでしょうか?!どれだけ寒い冬の日でも、走り終えた人がほしいのは、たぶん水ですよね(笑)一方で、寒い雪の降っている冬に、おでんを囲んでいる人にとっては、熱燗がうれしい一杯になります。同じ熱燗でも、相手がどんな場面にいるかで、喜ばれるかどうかが変わるんですよね。

AIに頼む前に、読み手がいまどんな場面にいるのかを自分でつかんでおく。そこができていれば、AIに任せた部分の文章も、読み手に向けた言葉になります。あなたの文章の読み手は、いまどんな場面にいるでしょうか?
書き始める前に確かめる3つの問い
- 読み手は、いま何に困っているのか
- それが解決したら、読み手はどうなりたいのか
- なぜ、ほかの誰かではなく自分から届けるのか
AIライティングの下書きを整える4つの手順✍️
AIの下書きを伝わる文章にするには、次の4つを順に行います。手順1はAIに書かせる前、手順2〜4は書かせたあとの作業です。

- 読み手の言葉と自分の体験を渡す
- 「私」で書き、読み手への問いかけを足す
- 一文を短くし、言いたいことを1つにする
- 公開前に、読み手の立場で読み直す
手順1 書かせる前に、読み手の言葉と自分の体験を渡す
AIに書かせる前に、読み手の言葉と、自分がそのテーマで経験したことを指示文に入れます。材料を渡せば、AIは誰にでも当てはまる言葉ではなく、その読み手に向けた文章を出しやすくなります。
読み手の言葉は、お客さんからの相談やメールの返信、アンケートから拾います。僕の場合は、お客さんとの話で出てきた言葉をメモ帳に残したり、セミナーのあとにアンケートを書いてもらったりして集めています。「何に困っていますか」と聞いて返ってきた言葉を、言い換えずにそのまま渡すことをお勧めします。
プロンプト例
あなたは、私(〇〇の仕事をしている個人事業主)の代わりに、メルマガの下書きを書く担当です。 読み手:〇〇(読み手の状況) 読み手から実際に聞いた言葉: ・「〇〇」 ・「〇〇」 私がこれを届けたい理由:〇〇 このテーマでの私の体験:〇〇 読み終えた人にしてほしいこと:〇〇(返信する、申し込むなど) 条件: ・考えや体験を語る文は、「私」を主語にして書く ・体験を書いたあとに、読み手への問いかけを1つ入れる ・「あなたは〜すべき」という言い方は使わない ・一文は60字以内、一文に言いたいことは1つ
体験の欄は、箇条書きのメモで構いません。ただし空欄のまま書かせると、AIがもっともらしい体験談を作ってしまうことがあります。体験の欄だけは、必ず自分で埋めてください。
使うAIは、自分が使いやすいもので十分です。僕は文章づくりにはChatGPTを使っています。ほかにもいろいろなAIがありますが、最初に使い始めたのがChatGPTだったので、いちばん手になじんでいるんですよね。
手順2 「私」で書き、読み手への問いかけを足す
下書きができたら、考えや体験を語る文を「私」を主語にして書き直し、そのあとに読み手への問いかけを1つ足します。「私」の話で受け止めてもらい、問いかけで読み手に自分ごととして考えてもらう順番です。
「私は〜です」だけが続くと、書き手が自分の主張を話しているだけの文章になります。かといって「あなたは〜すべきです」と言い切ると、読み手は指示されているように感じます。そこで、私の体験を書いたあとに「あなたの場合はどうでしょうか?」と投げかけて、読み手を話に巻き込みます。
| 書き換える前(あなたが主語) | 「私」で書いた例 | 足す問いかけの例 |
|---|---|---|
| あなたも、今のやり方を見直すべきです | 私も、今のやり方のままでいいのか迷った時期がありました | あなたは、今のやり方のままで続けたいですか? |
| AIを使えば、作業時間を減らせます | 私はAIに下書きを任せて、空いた時間をお客さんと話すことに使っています | あなたなら、空いた時間を何に使いますか? |
| 〇〇で悩んでいませんか? | 私がご相談を受けていて多いのは、〇〇という悩みです | あなたにも、似た場面はありませんか? |
※↔スワイプして表を見る
僕自身、文章は「私」で書き始めて、そのあとに読み手への投げかけを入れることを大事にしています。この書き方に変えてから、読んだ人が自分事として受け取ってくれるようになり、メルマガの登録や返信をもらえることが増えました。講座でライティングを扱うときも、この主語の置き方と、「伝える」と「伝わる」の違いから始めています。
すべての文を「私」にする必要はありません。手順や事実の説明はそのままにして、考えや体験を語る段落から書き直し、その段落の終わりに問いかけを置くことをお勧めします。
手順3 一文を短くし、言いたいことを1つにする
長い文は区切って、1文に言いたいことを1つにします。読点でつないだ長い文は、主語と述語の関係が読み取りにくくなるためです。
文の長さの目安として、文化審議会の「公用文作成の考え方」は、適当な長さは一概に決められないとしたうえで、50〜60字ほどになってきたら読みにくくなっていないかを意識するとよいとしています。SNSを使った投稿などでは、より短くすべきだという指摘もある、とも書かれています。同じ資料には、一文の論点は1つにすることも挙げられています(文化庁「公用文作成の考え方(建議)」)。
区切る作業は、AIに任せて構いません。「一文60字以内、一文に言いたいことは1つ」と条件をつけて頼めば、書き直しの手間を減らせます。
手順4 公開前に、読み手の立場で読み直す(できれば声に出して)
最後に、読み手になったつもりで読み直し、「自分のことだ」と思えるか、読み終えて次に何をすればいいかが分かるかを確かめます。この読み直しは、人がやる作業です。
あわせて、事実や数字、固有名詞は、出す前に自分で確かめます。Googleも、生成AIでつくるコンテンツは正確性・品質・関連性を優先し、公開する前に人の手で事実を確かめるよう求めています(Google 検索セントラル「ウェブサイトで生成 AI によるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス」)。
書いた直後は、自分の意図で読んでしまい、足りない説明に気づきにくくなります。少し時間をおいてから読み直すと、読み手の目に近づけます。
AIに任せるところ、人が手を入れるところ
- AIに任せる:下書き、言い換え、長い文を区切る作業
- 人が手を入れる:読み手の言葉と自分の体験を渡す、「私」で書いて問いかけを足す
- 人が決める:読み手の立場で読み直し、出してよいかを判断する
書いたあとは、読み手の反応で確かめる
伝わったかどうかは、書き手の手ごたえではなく、読み手の反応で確かめます。メルマガなら返信やリンクのクリック、LPなら申し込み、SNSならコメントや保存が目安になります。
反応が無かったときは、言葉選びより先に、読み手の背景をつかめていたかを見直してください。読み手の困りごとからずれていると、どれだけ言葉を磨いても読み手は動きません。反応の集計や、直す案のたたき台づくりはAIに任せられます。
反応を見て、次にどこを直すかを決める。これは、マーケティングで「誰が、誰に、何を、なぜ、どうやって届けるか」を考えることそのものです。AIで文章を早くつくれるようになった分、読み手の反応から直すところを判断する力が、そのまま文章の差になると僕は考えています。
よくいただく質問にお答えします!
一文は何文字くらいがいい?
50〜60字ほどになったら、読みにくくないかを見直すのが目安です。文化審議会の「公用文作成の考え方」で示されている目安で、SNSではさらに短くてよいとされています。文字数より先に、一文に言いたいことが1つになっているかを確かめてください。
AIで書いた文章だと、読み手に気づかれる?
はい、気づかれることはあります。決まった言い回しや、誰にでも当てはまる言葉が続くと、「AIで書いたのかな」と感じる読み手もいます。気づかれるかどうかを気にするより、読み手の言葉と自分の体験が入っているかを確かめることをお勧めします。
仕事のライティングで、AIを使ってもいい?
依頼主が認めている範囲なら使えます。案件によっては、AIの利用を禁止したり、使ったら申告するよう求めたりしている場合があるので、受ける前に確かめてください。使う場合も、事実の確認と最後の仕上げは自分で行います。
伝わる文章は、どうやって身につければいい?
書いて出し、読み手の反応を見て直すことを繰り返して身につけます。ひとりで続けると、どこを直すかの判断が自己流になりがちです。反応を一緒に見て、直すところを指摘してくれる人がいる環境で学ぶと、遠回りを減らせます。
まとめ
AIライティングの文章が伝わらないのは、AIが読み手の背景と書き手の体験を知らないまま書いているからです。読み手の言葉と自分の体験を渡し、「私」で書いて読み手への問いかけを足し、人が読み手の立場で整えると、読み手が動く文章に近づきます。
AIの下書きを伝わる文章に整えるために
- 「伝える」は書き手が出すこと、「伝わる」は読み手が受け取って動くこと
- 書く前に、読み手がどんな場面にいて、何に困っているのかを知る
- AIには、読み手の言葉と自分の体験を渡してから書かせる
- 考えや体験は「私」で書き、そのあとに読み手への問いかけを足す
- 一文は短く、言いたいことは1つ。公開前に読み手の立場で読み直す
文章を整える作業はAIと分け合い、読み手の背景をつかむことと、「私」の体験を語ることに時間を使っていきましょう。



