教育訓練給付金は退職後も使える?辞めてから1年以内に確かめること

会社を辞めてから教育訓練給付金という制度を知って、「辞める前に知っていれば…」と思っていませんか?結論から言うと、辞めた日の翌日から1年以内に講座が始まれば、退職後でも給付の対象になります。1年を過ぎていても、妊娠や出産などの事情があった人は、その期間を延ばせる場合があります。
とはいえ、辞めたあとは失業保険の手続きや次の仕事の準備が重なって、何から確かめればいいのか決めにくいですよね。独立したばかりなら、学びにお金をかけてよいのかも迷うところです。
僕自身、12年間の会社員生活を経て独立した身で、この制度を知ったのは、会社を辞めて何年もたってからでした。いまは私たちYOUSEEDで、厚生労働省の専門実践教育訓練の指定を受けた講座を運営しています。この記事では、退職後に使える条件、辞めてからの時期ごとにやること、失業保険との関係、独立した人が気をつけたい点までを順に整理します。
それでは、使えるかどうかを決める条件から見ていきましょう。
教育訓練給付金は退職後も使える?確かめる条件は2つ
はい、2つの条件を満たせば使えます。「辞めてから講座が始まるまでが1年以内か」と「雇用保険に入っていた期間が足りているか」の2つです。どちらも、ハローワークに行く前に自分で確かめられます。
辞めた日の翌日から、講座が始まる日までが1年以内か
退職後に使えるかどうかは、講座が始まる日で決まります。ハローワークの案内では、雇用保険の資格を失った日(離職日の翌日)から、受講開始日までが1年以内であることが条件です(ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」)。
ここで間違えやすいのが、受講開始日の意味です。申し込んだ日や受講料を払った日ではなく、講座が始まる日を指します。1年の期限ぎりぎりで申し込む場合は、開講日がいつになるのかを講座の運営側に先に確認することをお勧めします。
雇用保険に入っていた期間は足りているか
雇用保険に入っていた期間は、原則3年以上が必要です。初めて教育訓練給付金を使う人は短くてよく、専門実践教育訓練なら2年以上、特定一般教育訓練と一般教育訓練なら1年以上で受け取れます。
もう一つ、受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金を受け取っている人は対象外です。前の会社にいたころに一度使ったことがある人は、その時期も確かめておく必要があります。
給付には3つの種類があり、退職後に受け取れる基本の割合は次のとおりです。
| 種類 | 基本の給付 | 初めて使う人の加入期間 |
|---|---|---|
| 専門実践教育訓練 | 受講費用の50%(年40万円まで) | 2年以上 |
| 特定一般教育訓練 | 受講費用の40%(20万円まで) | 1年以上 |
| 一般教育訓練 | 受講費用の20%(10万円まで) | 1年以上 |
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専門実践と特定一般には、資格を取って雇用保険に入る働き方で就職した場合などに、割合が上がる仕組みもあります。この上乗せの条件は、独立した人にとって大事な点なので、あとの見出しで説明します。
退職後に使えるかを決める2つの確認
- 辞めた日の翌日から、講座が始まる日までが1年以内か
- 雇用保険に入っていた期間が原則3年以上(初めてなら2年または1年以上)あるか
退職後のどの時期かで、やることが変わる
辞めてから1年以内の人は開講日から逆算し、1年を過ぎた人は期間を延ばせる事情がないかを確かめます。これから辞める人は、在職中に受講を始める道も選べます。あなたは、いまどの時期にいますか?
| いまの時期 | まず確かめること | 期限の目安 |
|---|---|---|
| 辞めて1年以内 | 受けたい講座の開講日と、ハローワークの手続きの日程 | 専門実践は受講開始日の2週間前までに受給資格の確認 |
| 辞めて1年を過ぎた | 妊娠や出産などで、30日以上講座を始められなかった期間があるか | 延長の申請は、延ばしたあとの期間の最後の日まで |
| これから辞める | 辞める日と、講座の開講日のどちらが先か | 受講開始日に在職していれば、在職中の人として扱われる |

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辞めて1年以内の人は、開講日から逆算する
1年以内の人は、受けたい講座の開講日から逆算して手続きの日程を決めます。専門実践教育訓練と特定一般教育訓練は、受講前にハローワークで訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カード(仕事の目標や経験をまとめる書類)を作る必要があるためです。専門実践教育訓練の場合、受給資格の確認は受講開始日の2週間前までに済ませます。
- 受けたい講座を決め、開講日と指定番号を控える
- 住んでいる地域を管轄するハローワークを調べる
- 電話で手続きの流れと、行くべき窓口を聞く
- 訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードを作る
- 受講開始日の2週間前までに、受給資格の確認を済ませる
私たちの講座でも、会社を辞めたあとに給付金を使って受講した人が5、6人います。辞めて2、3か月で始めた人もいれば、半年を過ぎてから始めた人もいます。
その受講生たちが最初につまずいたのは、どこのハローワークに問い合わせればよいか分からないことでした。迷った受講生には、まず近くのハローワークに電話するところから始めてもらいました。電話で手続きの流れと行くべき窓口を聞いておけば、その先の段取りを決めやすくなります。
もう一つは、どの講座で手続きをすればよいのかが、窓口で分からなくなることです。受けたい講座を先に決め、その講座の指定番号を伝えると話が早く進みます。私たちのAI×WEBマーケティング実践講座なら、指定番号は4012009-2520011-4です。
1年を過ぎた人は、期間を延ばせる事情がないか確かめる
辞めてから1年のあいだに、妊娠や出産などの理由で30日以上続けて講座を始められなかった人は、その日数分だけ期間を延ばせます。延ばせる期間は最大で20年です(厚生労働省「適用対象期間延長が最大20年になります」)。
延長の申請は、延ばしたあとの期間の最後の日までできます。辞めてから1年を過ぎていても、当てはまる事情があったなら、まず住所地のハローワークに相談することをお勧めします。
反対に、制度を知らなかったことは、延長できる理由に挙げられていません。事情が当てはまらない人は、辞めたあとの1年のうちに講座を始めることが前提になります。
これから辞める人は、在職中に始める道もある
まだ会社にいる人は、辞める前に受講を始めると、退職後の1年の期限を気にせずに済みます。対象かどうかは受講開始日の時点で判断されるため、受講開始日に雇用保険に入っていれば、在職中の人として扱われるからです。
また、専門実践教育訓練では、会社に雇われたまま受講して目標の資格などを取った場合も、給付の割合が上がる条件に入ります。辞めるかどうかを迷っている段階なら、辞める日と開講日の順番を先に決めておくと、選べる道が広がります。
退職後のお金は、失業保険と合わせて考える
自己都合で辞めた人でも、対象の講座を受けていれば、失業保険がもらえない期間(給付制限)が外れます。退職後に学ぶかどうかは、失業保険の受け取り方とあわせて考えると判断しやすくなります。
自己都合で辞めても、講座を受けていれば給付制限が外れる
自己都合で辞めた場合、失業保険(基本手当)は7日間の待期のあと、原則1か月は支給されません。2025年4月1日以降に辞めた人の場合です。
ただし、2025年4月1日以降に始めた教育訓練給付金の対象講座などを、離職日前の1年以内に受けていた人(途中でやめた人は除く)や、離職日以後に受けている人は、この給付制限が外れます(厚生労働省「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」)。外してもらうには、講座を運営する側が出す、訓練を始めた日の証明書をそろえて申し出ます。
あなたの場合は、辞める前の1年のうちに受けた講座がありませんか?在職中に受けていた講座が対象であれば、それだけで給付制限が外れることがあります。
生活費の給付は、使える人がかなり限られる
受講中の生活費を支える教育訓練支援給付金もありますが、使える人はかなり限られます。専門実践教育訓練を初めて受ける人のうち、失業状態にあって、受講開始時に45歳未満であるなどの条件を満たす人が対象です。昼間に通う講座が前提で、通信制や夜間制の講座は対象になりません。
金額は失業保険の日額の60%で、2026年度末までの暫定措置とされています(厚生労働省「教育訓練給付金」)。オンラインで学びながら仕事も始めたい人は、この給付を当てにせず、失業保険と手元の資金で計画を立てておくことになります。
独立して個人事業主になった人が気をつけたいこと
個人事業主になっていても、辞めてから1年以内に講座が始まれば対象になりえます。ただし、専門実践教育訓練の上乗せは「雇われる」ことが条件なので、独立したまま学ぶなら、基本の50%で計算しておくのが安全です。
開業届を出していても、辞めて1年以内なら対象になりうる
退職後の条件は、受講開始日に雇用保険に入っていない人のうち、辞めてから1年以内の人です。開業届を出して個人で仕事を始めていても、この条件からは外れません。
一方で、個人事業主は雇用保険に入れないため、辞めてから1年を過ぎると、延長できる事情がないかぎり新たに使う道はなくなります。独立1年目の人ほど、期限が残っているうちに使うかどうかを決めておくことをお勧めします。
専門実践の上乗せは「雇われる」ことが条件
専門実践教育訓練の給付は、受講費用の50%(年40万円まで)が基本です。70%に上がるのは、目標の資格などを取ったうえで、修了の翌日から1年以内に雇用保険に入る形で雇われた場合などです。さらに賃金が5%以上上がると80%になります。
つまり、70%や80%は、修了後に転職して雇われることや、会社を辞めずに学ぶことを前提にした割合です。たとえば私たちのAI×WEBマーケティング実践講座は受講料66万円(税込)なので、50%なら給付は33万円、自己負担も33万円が目安になります。最終的な給付の割合は、ハローワークが判断します。
辞めてから知った僕が、いま伝えたいこと 💡
知った時点で期限を確かめれば、まだ間に合う場合があります。そのうえで、給付が出るかどうかよりも、学んだことを仕事に使えるかで講座を選んでほしいと思っています。
僕は2018年に会社を辞めて独立しました。この制度を知ったのは、独立して5年目ごろです。講座を主催する側になって、国の制度で使えるものはないかと調べていたときに見つけ、「会社員のころにこの制度を知っていたら…」と思いました。
会社員のころの僕が受けていた学びは、デザインのような目の前の作業に関わるものが中心でした。作業そのものより、その前後で何が起きているかというマーケティングを、辞める前に学んでおけばよかった。いまでも、そう思っています。

あなたが次に学ぼうとしているのは、辞めた理由や、これからの働き方につながる内容ですか?給付金は学びを後押しする制度で、何を学ぶかまでは決めてくれません。何を学ぶかを先に決めておくと、講座を比べるときに迷わなくなります。
私たちの講座も、専門実践の指定講座です
私たちが運営するAI×WEBマーケティング実践講座は、厚生労働省の専門実践教育訓練の指定を受けた講座です。6か月間・30時間のカリキュラムで、平日日中のオンラインが中心です。録画でも見られ、ときどき対面で集まる機会もあります。
題材にするのは、僕や講師が実際に手がけた案件や、受講生自身の商品です。概念を覚えるより、いま動いている仕事に当てはめて考える進め方なので、独立したばかりの人でも、学んだことをいまの仕事に当てはめて試せます。次回は2027年1月開講で、辞めた日から1年以内にこの開講日が来るかを、まず確かめてみてください。
退職後の教育訓練給付金、よくある疑問にお答えします
退職前に申し込んで、辞めたあとに講座が始まる場合はどうなりますか?
退職後の人として扱われます。対象かどうかは受講開始日で判断されるため、講座が始まる日に雇用保険に入っていなければ、辞めてから1年以内かどうかと、加入期間の条件で決まります。
自己都合で辞めた場合でも、教育訓練給付金は使えますか?
はい、使えます。辞めた理由は、教育訓練給付金を受け取る条件に入っていません。確かめるのは、辞めてから講座が始まるまでの期間と、雇用保険に入っていた期間の2つです。
以前の会社で一度使ったことがあっても、退職後にまた使えますか?
受講開始日の前日から3年以内に給付を受けていなければ、使える可能性があります。そのうえで、雇用保険に入っていた期間の条件も満たしているかを、ハローワークで確かめてもらえます。
給付の対象になる講座は、どこで調べられますか?
厚生労働省の教育訓練講座検索システムで調べられます。学校名や講座名で探せるので、受けたい講座が決まっている人は、名前で検索すると、指定の期間に入っているかまで確かめられます。
まとめ
会社を辞めてから教育訓練給付金を知った人でも、辞めた日の翌日から1年以内に講座が始まれば、退職後でも給付の対象になります。まずは開講日と雇用保険の加入期間を確かめましょう。
退職後に教育訓練給付金を使うための要点
- 判断の基準は講座が始まる日。辞めた日の翌日から1年以内か
- 雇用保険の加入期間は原則3年以上。初めてなら2年または1年以上
- 1年を過ぎても、妊娠や出産などの事情があれば最大20年まで延ばせる
- 自己都合で辞めても、対象の講座を受けていれば失業保険の給付制限が外れる
- 独立したまま専門実践を受けるなら、基本の50%で計算しておく
退職後の学び直しで、何を学べば次の仕事につながるのか。マーケティングを学ぶ順番と、私たちの講座の進め方を、解説動画と資料にまとめています。講座を選ぶ前の材料として、解説動画&資料を受け取るからお受け取りください。



