教育訓練給付金は働きながら使える?在職中の条件と手続きの順番

会社を辞めずに、働きながら教育訓練給付金は使えるのか。結論から言うと、使えます。教育訓練給付金は、在職中の人がもともとの対象だからです。決め手になるのは、雇用形態ではなく雇用保険に入っている期間です。
とはいえ、使えると分かっても「平日に休みを取ってハローワークに行けるかな…」「会社に何か伝わるのかな…」「繁忙期と重なったら、修了まで続けられるかな…」と、手が止まってしまう人は多いんですよね。
僕も会社員として12年間営業を続けながら、仕事のあとや週末に塾やコミュニティで学んでいた時期があります。ただ、当時の僕は、教育訓練給付金の対象になる講座があることすら知らなかったので、この制度の恩恵は受けていません。だから、いまこの制度を知っているあなたは、それだけでかなりラッキーなんです(笑)
いまは僕自身が、教育訓練給付金の対象講座を運営する立場です。この記事では、在職中の条件、仕事を休まずに進める手続きの順番、会社との関係、働きながら修了までたどり着く講座の選び方を順に解説します。それでは、順に見ていきましょう。
会社員のままでも教育訓練給付金は使える?在職中の条件
はい、使えます。受講開始日に雇用保険に入っていて、加入期間の条件を満たしていれば、会社員のまま受け取れるからです。
決め手は受講開始日の雇用保険の加入期間
在職中の人の条件は、受講開始日の時点で、雇用保険の加入期間が3年以上あることです。初めて教育訓練給付金を使う場合はもっと短くてよく、専門実践教育訓練なら2年以上、特定一般教育訓練と一般教育訓練なら1年以上で足ります(ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」)。
見られるのは雇用保険の加入で、正社員かどうかではありません。パートやアルバイト、派遣で働いている人も、雇用保険に入っていれば対象になりえます。一方で、前回の受給から3年以内の場合は使えないので、以前に使ったことがある人は日付を確かめておきましょう。
戻る金額は3つの区分で変わる
基本の給付率は、専門実践教育訓練が50%、特定一般教育訓練が40%、一般教育訓練が20%です。どの区分になるかは講座ごとに決まっていて、受講前に必要な手続きも区分で変わります。
| 区分 | 基本の給付 | 条件を満たすと | 受講前の手続き | 受け取る時期 |
|---|---|---|---|---|
| 専門実践教育訓練 | 50%(年間上限40万円) | 70%(年間上限56万円)、さらに賃金が5%以上上がると80%(年間上限64万円) | 必要(キャリアコンサルティングと受給資格確認) | 受講中から6か月ごと |
| 特定一般教育訓練 | 40%(上限20万円) | 50%(上限25万円) | 必要(同上) | 修了後 |
| 一般教育訓練 | 20%(上限10万円) | なし | 不要 | 修了後 |
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給付率と上限は、厚生労働省の「教育訓練給付制度」の案内に沿っています。なお、支給額が4,000円を超えない場合は支給されません。
加入期間があいまいなら支給要件照会で確かめる
転職をしていたり、雇用保険から外れていた期間があったりして、自分の加入期間に自信がないなら、ハローワークの「支給要件照会」で確かめられます。照会は窓口のほか、代理人・郵送・電子申請でも出せます(ハローワークインターネットサービス)。
ただし、電話では照会できません(佐賀労働局「教育訓練給付制度について」)。平日に窓口へ行けない人は、郵送か電子申請を選べば、仕事を休まずに済みます。
仕事を休まずに進める教育訓練給付金の手続きの順番
働きながら手続きを進めるコツは、受講開始日から逆算して、窓口に行く日をできるだけ少なくまとめることです。郵送や電子申請で出せる手続きもあるので、最低限なら窓口に行くのは1回で済みます。
受講開始日から逆算して動き出す
専門実践教育訓練と特定一般教育訓練は、受講開始日の2週間前までに、ハローワークで受給資格確認を済ませる必要があります。その前に、訓練前キャリアコンサルティングを受けて、ジョブ・カードの交付を受けておかなければなりません。
つまり、申し込みを決めてから動き出したのでは、間に合わないことがあります。講座の説明会に出る段階で、受講開始日と、その2週間前の日付をカレンダーに書き込んでおくことをお勧めします。仕事の予定が詰まっている月ほど、キャリアコンサルティングの日程は早めに押さえておくと安心です。
- 講座が給付金の対象か、指定期間まで教育訓練講座検索システムで確かめる
- 加入期間に不安があれば、支給要件照会を出す
- 訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードの交付を受ける(専門実践・特定一般)
- 受講開始日の2週間前までに、受給資格確認を済ませる(専門実践・特定一般)
- 受講して修了する
- 期限内に支給申請をする

窓口に行く日と、郵送・電子申請で済む手続きを分ける
受講生を見ていると、ハローワークに行くのは受講前に1〜2回、修了後に1回という人が多くいます。ただ、受給資格確認と支給申請は電子申請でも出せるので(厚生労働省「教育訓練給付の電子申請等について」)、郵送やオンラインを組み合わせれば、窓口に行くのは最低1回まで減らせます。
| 手続き | 出し方 |
|---|---|
| 支給要件照会 | 窓口・代理人・郵送・電子申請(電話は不可) |
| 訓練前キャリアコンサルティング | 受け方を管轄のハローワークに確かめる |
| 受給資格確認 | 窓口のほか、電子申請も可 |
| 支給申請 | 窓口のほか、電子申請も可 |
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その1回は、自分が給付の対象になるかを確かめる日に使うのが確実です。ハローワークは電話では「あなたが対象か」「この講座で給付を受けられるか」までは答えてくれないので、不安がある人は、必ず一度は窓口で確かめてください。電話ではどの窓口に行けばよいかと持ち物だけを聞いておき、対象かどうかの確認は窓口でまとめて済ませる。この段取りなら、行き直しを防げます。
修了後の支給申請は1か月以内
一般教育訓練と特定一般教育訓練の支給申請は、修了日の翌日から1か月以内です。専門実践教育訓練は、受講開始日から6か月ごとの期間が終わるたびに、その翌日から1か月以内に申請します。
働きながらだと、修了の時期が繁忙期と重なって、申請を後回しにしてしまうことがあります。期限を過ぎると受け取れないので、修了日が決まったら、申請の締め切りも同時に予定表へ入れておきましょう。
休まずに進めるための段取り
- 説明会の段階で、受講開始日と「2週間前」をカレンダーに入れる
- 照会・受給資格確認・支給申請は、郵送や電子申請も選べる
- 対象かどうかが不安なら、窓口で一度確かめる。電話では窓口と持ち物だけ聞いておく
- 修了日が決まったら、支給申請の締め切りも予定に入れる
会社に知られる?教育訓練給付金と会社の関係
教育訓練給付金を使うことを、会社に伝える必要はありません。申請は本人がハローワークに出す手続きで、一般教育訓練の支給申請の書類を見ても、会社の証明は含まれていないからです(厚生労働省「Q&A~一般教育訓練給付金~」)。会社に断ってから受講しなければならない、ということもありません。
ただし、会社の研修費補助を受ける場合と、賃金が上がった分の追加給付を受ける場合の2つは、会社が関わります。

会社の補助があれば、その分を差し引いて申請する
会社から受講料に充てる手当や補助が出る場合は、その分を受講費用から差し引いて申請します。給付の対象になるのは、自分が実際に払った金額だけです(同じく厚生労働省のQ&A)。
会社の研修費補助と教育訓練給付金を、同じ費用に二重に受け取ることはできない、ということですね。補助を受けるかどうかで自己負担がどう変わるのか、申し込む前に計算しておくと迷いません。
会社を辞めなくても追加給付は受けられる
専門実践教育訓練の70%への追加給付は、修了後に就職することだけが条件ではありません。在職のまま受講して、講座が目標とする資格取得などをした場合も対象になるからです(ハローワークインターネットサービス)。
さらに、修了後の賃金が受講開始前より5%以上上がった場合は、80%まで受け取れます(2024年10月1日以降に受講を始めた人が対象)。この80%の申請には、申請者と事業主の両方の記載が必要です(厚生労働省)。賃金が上がったことを会社に書いてもらう手続きなので、ここだけは会社に知らせることになります。
働きながら修了までたどり着く講座の選び方 🗓
働きながら学ぶときにいちばん避けたいのは、途中で修了の条件を満たせなくなることです。講座の中身と同じくらい、自分の仕事と暮らしの予定の中で修了できるかを見て選んでください。
学ぶ時間を、いつ取るかを先に決める
僕が会社員だった頃は、学ぶ時間といえば夜と週末でした。いまは在宅ワークの人や、日中に時間を調整できる人が増えています。僕たちの講座でも、家庭に支障が出ないように、日中に少し時間を空けて受講している方が多くいらっしゃいます。
夜と週末に詰め込むと、家族との時間や休息が削られて、続かなくなりがちです。あなたの場合は、平日のどこかに1〜2時間を空けられそうですか? 先に学ぶ時間の置き場所を決めておくと、講座の日程が自分に合うかも判断しやすくなります。
修了条件を、自分の繁忙期と重ねて見る
給付を受けるには、講座の修了が前提になります。修了の条件は講座ごとに違い、出席率や課題の提出が決められていることがほとんどです。
申し込む前に、講座の日程と課題の締め切りを、自分の仕事の予定表に重ねてみてください。決算期、イベントの時期、異動のある月。山が重なる月に、課題の締め切りや出席が必要な回が集中していないかを確かめておくと、無理のない計画を立てられます。
録画で受け直せるか、受講中に相談できるか
仕事の都合で出られない回は、どうしても出てきます。そこで見ておきたいのが、休んだ回を録画で受け直せるかと、受講中に相談できる場があるかの2点です。
僕たちの講座でも、繁忙期と重なった受講生は、録画で講義に追いついたり、先に出している課題を前倒しで進めておいたり、コンサルティングの場でその都度相談したりして、修了までたどり着いています。相談の場は、いま抱えている仕事をそのまま学びの題材にできる場でもあって、そこから案件につなげた人や、単価を上げられた人もいます。働きながら学ぶ人は、学んだことを翌日の仕事ですぐに試せるんですよね。
私たちの講座の場合
私たちYOUSEEDの「AI×WEBマーケティング実践講座」は、専門実践教育訓練の給付金の対象講座です。eラーニングの講義が中心で、講義とグループコンサルティングは録画を会員サイトで見られます。全国からオンラインで受講でき、修了の条件は、すべての修了課題をクリアすることと、出席率8割以上です。
給付の対象になるのは、在職中・育休中・離職から1年以内で、雇用保険に2年以上加入していた方です。受給資格と給付率は、最終的にハローワークが判断します。ご自身の場合にどうなるか、詳しくは個別相談のときにお気軽にお尋ねください。
仕事を休んで学ぶなら、教育訓練休暇給付金という選択肢
働きながらではなく、会社に籍を置いたまま仕事を休んで学びたい人には、2025年10月に新しくできた「教育訓練休暇給付金」があります。就業規則などに基づいて、連続30日以上の無給の休暇を取って教育訓練を受ける場合に、賃金の一定割合が支給される制度です。
教育訓練給付金が受講費用の一部を戻す制度なのに対して、こちらは休んでいる間の生活費を支える制度です。会社の制度として休暇を取れることが前提になるので、使えるかどうかは勤務先の就業規則によります。支給額は、厚生労働省の「教育訓練休暇給付金」のページにあるシミュレーターで試算できます。
働きながら使う前に、よく聞かれる質問
パートやアルバイトでも、教育訓練給付金は使えますか?
はい、雇用保険に入っていて、加入期間の条件を満たしていれば使えます。正社員かどうかではなく、雇用保険の加入で決まります。自分が入っているか分からない場合は、給与明細の雇用保険料の欄を見るか、支給要件照会で確かめましょう。
夜間や土日、オンラインの講座でも給付金の対象になりますか?
はい、厚生労働大臣の指定を受けた講座であれば、開講の時間帯や受講の形式にかかわらず対象です。夜間制や通信制が対象から外れるのは、離職中の人の生活を支える「教育訓練支援給付金」のほうで、教育訓練給付金ではありません。
仕事が忙しくなって、修了できなかったらどうなりますか?
一般教育訓練と特定一般教育訓練は、修了しないと給付は受けられません。修了したあとに申請する仕組みだからです。専門実践教育訓練は受講中から6か月ごとに申請しますが、途中でやめた場合の扱いは、申し込む前に管轄のハローワークで確かめておくと安心です。
働きながら転職を考えている場合は、どうすればいいですか?
転職を目指しているなら、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」も比べてみてください。在職中で転職を考えている人向けの事業で、教育訓練給付金とは対象も受け取り方も違います。どちらが合うかは、学んだあとに今の会社で働き続けるか、転職するかで決まります。
まとめ
教育訓練給付金は、働きながら使えます。在職中の人が、もともとの対象だからです。あとは、仕事と暮らしの予定の中で、手続きと修了までの段取りを組めるかどうか。
働きながら教育訓練給付金を使うために
- 受講開始日に雇用保険の加入期間が3年以上(初めてなら専門実践2年・ほか1年)あれば対象
- 専門実践・特定一般は、受講開始日の2週間前までに受給資格確認を済ませる
- 郵送や電子申請を組み合わせれば、窓口に行くのは最低1回。対象か不安なら、その1回で確かめる
- 会社に伝える必要はない。会社が関わるのは、研修費補助を差し引くときと、80%の追加給付を申請するとき
- 学ぶ時間の置き場所と繁忙期を先に決め、録画や相談の場がある講座を選ぶ
マーケティングを働きながら学ぶとき、何から手をつけて、どう今の仕事に生かしていくのか。その続きを、解説動画と資料にまとめています。給付金を使って学ぶかどうかを決める前の材料として、解説動画&資料を受け取るところから始めてみてください。



